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トリウム溶融塩原子炉について1,2の学識経験者の評価 [テクノロジー]

   古川和男氏並びに「トリウム溶融塩原子炉」についての評価 (そしがやさん)
  この原子炉について、馴染みもないものであり、単なる空想の話であってはしかたがない
  ので1,2の識者(大学時代の信頼できる級友)の見解を聞いてみました。
 
 1、A京大名誉教授
   古川和男さん。 よく知っています.著書は 今回の 原発安全革命,平成13年発行の 「原
  発」革命 も贈っていただき 読みました.

  研究者として立派な方です.
   溶融塩発電炉の提案も真摯に検討されるべきものと考えます.

  「そのようによいものなら,なぜ今まで放置されてきたのか?」という問い
  かけに対して古川さんが著書の206ページに答えています.

  原子力工学の専門家が,古川さんの提案をどれだけ真剣に検討したか
   知りたいと思います.

 古川さんから,自民党政権時代に自民党の科学技術政策担当者,
  科学技術庁長官 などに働きかけた話も聞いたことがあります.
   電力会社の上層部とコンタクトされたようにも聞いています.

   この発電炉に対する関心の状況が, 178pに書いてあります.
  「関心の高い諸外国から1~2名ずつ研究員受け入れて推進したいと考えている」
  10年前の著書にも同じことが書いてあります.

 2, B国立研究所長
    ご返事が遅れてすみません。、大雑把な感触ですがご返事します。

  1.将来の選択肢として考えることができると思います。いくつか理由を挙げると。
   1)技術的には1970年前後にORNLを中心として米国で溶融塩炉についての研究が進んでいた。重要な構   造材料ではフッ化物系溶融塩に耐食性があるハステロイN(Ni基合金)なども開発されている。
   2)トリウム資源は最近のレアーメタル獲得競争と絡んできたので、これからの採取量、コストなどUに比べ   有利になる。中国は資源的に有利なので開発の重点に置いており、世界の政治的力がTh推進を加速する   可能性がある。
   3)今回の福島の経験から放射線物質の被害を痛切に体験をした。
   4)日本のU-Pu体制においても古川和男氏など少数ではあるがTh系原子力研究を継続してきた実績があ   る。

  2.不安材料は。
   1)日本ではU燃料のリサイクル路線(高速増殖炉路線)を選択して莫大の投資をして未完である。この状    態からTh移行を計画するときにこれまでの投資をどの程度生かせるのか。新しい原子力政策に待つところ   です。
   2)現在の世界の限られた(Pu)核兵器所有国は非核国に対して将来とも武力的優位を保ち続けることに    通じないか。PU製造のためのU炉など核抑制に対する新たな観点が必要になるかもしれません。

   先日(震災前)、日本工学アカデミーの原子力作業部会の結論の一つは、Thの研究は進めるべきである    が、当面は日本の技術力を海外のTh炉開発に投じてでも、Th炉技術の獲得維持に努めるべきではないか   ということでした。

   古川さんは私は大学院生のころから存じ上げています。最近5,6年は全くお目にかかっていませんが、今    回インターネットでNPO法人で元気に活躍されているのを知りました。私も旧版「原発革命」は読みました    が、研究室の研究をここまで大きなシステムに構築されたことには深く尊敬しています。

   ただ、実学に近い人から、古川さんの強烈な個性がThの普及のマイナスに働いたということも最近耳にし    ました。そういうことがあったとしても今後は氏の活動に対する見方も変わってくる来るのではないでしょう    か。

   過去になぜThが取り上げられなかったについて主たる理由は米国におけるU炉による核兵器用Pu製造と   言われているようですが、、この辺について私は調べておりません。

   






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