ぐうたら娘は、年末のパーテイーで、コロナに感染して年始早々10日間寝込んだ。症状は、全身倦怠感、咳少々に、味覚と嗅覚の消失であった。元気な娘が、ベットに横たわり、まったく動かないのを見ると、色々想像し心が揺れたが、時に放つ弱弱しい声で「腹減ったあああ~」、生きているんだと安心するぐうたらママであった。もはや、フランスの若い子達は、どこにも逃げられないと堪忍したのか、パーテイや会食を断念しなくなった。ボーイフレンドも含め、完璧なクラスターであった。ぐうたらママは、三回目のワクチン接種の抗体が落ち着いていない頃ではあったが、かからなかった。このせいで、1月上旬予定だったぐうたら娘の誕生会が延期となり、陽性から陰性になってからの下旬に行うことになった。ぐうたら娘は、場所確保に四苦八苦した末、我が家に白羽の矢を立てた。クラスターが家で発生するかもしれないと、ぷりぷり怒るぐうたらママを背に、人数を20人以下に制限し、来られる人は陰性証明書を持ってくることを条件とした。斯くして、ぐうたらママのいき場所は、ホテルになった。はじめて娘に追い出される経験を味わうことになったが、シャワーしかない我がアパートでは、バスタブに熱いお湯を入れて浸かるのが夢であったので、数年ぶりのホテル滞在もまんざら嫌というわけでもなかった。誕生会から日数が過ぎ、その後コロナにかかった者はおらず、フランスの感染者数も激減しているこの頃である。舞