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山荘の夏 [連載ー蓼科高原のクレオパトラ]

山荘の庭に鹿の親子がのんびりと若芽を食べています。鹿は主人の植えたブルーベリーの樹皮をはぎ取って食べてしまいました。でも主人は鷹揚にかわいい鹿の子供の事だ、許す、と言います。ヴェランダは小鳥の集会場所です。主人の好きな鳥は小さく黒い羽根の冴えない姿をしたミソサザエです。こいつは俺に似ている。おっちょこちょいで、やじうまの様に何でも興味を持つ。と、主人は目を細めます。書斎に平気で飛び込んで、主人の椅子にちょこんと乗って室内を見回してチッ、チツとせわしなく鳴きます。他の鳥とはまるで違いさっぱり私もヒトも恐れません。今日は、山荘の下のお気に入りのお菓子屋さんに出かけました。主人には大変思い出のあるオーストリーのウイーン。そこのお菓子を作って売っています。特にチョコレイトはすべてスイスが発売元の本物を使っています。お気に入りの菓子職人が、今朝、庭先に熊の親子を見ました、と言いました。主人は驚愕の体で、何、熊が出たのか、初めてだね、にぎやかになったな、しかし、今後少々用心がいるな、と私をじっと見ていました。
パテイー
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