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Made in Paris <財布代わり> [連載ーMade in Paris]

ぐうたら娘は、新しいアパートで彼氏と二人生活をスタートした。昨年末は、段ボール散乱の中で、友人らを招いて忘年会をやった。場所を提供する代替えに飲食を持ってきて貰うのが今の同年代の常識らしい。冷蔵庫には普段飲まない飲物が邪魔していた。1月に26歳になった。もうおばさんへのレールにのってるではないか。ぐうたらママは、そういう自分は、シニアの線状にいると改めて自覚する。ついこの間、遅い誕生会と新居祝いを兼ねて20人以上が集まったと、ぐうたら娘が話す。これで、冷蔵庫を邪魔していた飲物が一挙に無くなったらしい。集会には、必ずテーマがあり、ドレスコードも設定されて、本気の仮装というのが条件であった。例えば、ぐうたら娘が決めた今回のテーマは、「ハワイ」。南国の島というイメージにちなんで、服装やコーディネートを考える。カジュアル、シンプルでいいが、時期的にどこにも売っていない物を揃えるのは、難しいではないか。アロハシャツが、洋服クローゼットにある人はどれだけいたのか。この準備に協力したぐうたらママ。街に引っ張られて久々の財布代わりとなった。たまたまバーゲン中の店で夏物をごそっと売っているところを見つけ、ハワイらしいリゾートワンピースを今年の夏に着れるからと沢山抱えて、レジカウンターへ連れていかれた。パ-ティ好きなフランス人は、年に関係なく盛大に祝う。皆それぞれに持ってこれるものを準備して参加する。ご馳走を食べるイメージはなく、アペリティフや食前酒、ケーキで、深夜まで楽しむ。又、テーマにどれだけ近づけるか、フランス人特有の発想好きがここで発揮されるわけで、皆それを称えることも目的なのかと、ぐうたらママは思うわけであった。


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