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環境美化の慣性 [連載ー蓼科高原のクレオパトラ]

主人は満足げです。”こりゃ、凄い花の量だ。100年の差も埋められそうだ。”都の西北、目白台と高田の馬場の狭間を流れる神田川。両岸を連なって咲く桜の花が満開です。”パテイーよ、よく見ろ。今年は川の流れを早くする工夫ができている。ほら、小さな堰ができている。これで随分と水質が浄化されたのだよ。” その所為か、確かに昨年より桜の花が色づいてまた豊富です。一面花ばかりの風景です。去年より、多くの赤白の大きな鯉が、楽しそうに泳いでいます。主人は現役時代、欧州でテムス河、セーヌ河、ダニューブ河などの河川の美しい変身の様を見ています。お酒が入ると、羨ましいと思い出話です。50年も前のことですが、テムズの上流でモーターボートを借りて、遊んだ日のことを話します。行き届いた運転指導、環境への配慮等、当局者の指示が、よほど驚きだったようです。”あの頃、まだ日本は100年遅れていると先輩に言われたよ。でも、どうだ、今日の神田川には日本人の知恵で小型堰が出来て水質も、花の勢いもすっかり変えてしまった。はずみが着くと早いよ。セーヌに追いつくのもすぐだ”。珍しく主人ははしゃいでいます。
パテイー

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