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原発問題の個人的処方箋 [テクノロジー]

   原発問題の個人的処方箋  (そしがやさん)

1、福島第一原発の処理
  廃炉への工程表どおり進むか懸念があるが、当事者に頑張ってもらう以外方法がない

2、原発の休止
  今ある原発はとりあえず、出来るだけ休止し、リスクの評価をして、対策を立てるべ
  きである。

3、電力不足の対策

①当座
  最近の東電の負荷状態を見ても、節電運動やイベントの延期と、工場オフィス等の負荷の時間調整でピーク  カットし、一方休止中の予備発電機の出来る限りの稼動と
  各種自家発電の稼動で夏場のピークは乗り切れるのではないかと思われる。

②中期的には
  大筋は東電への依存度の低減で。
  ⅰ)発電、送電の分離等電力の自由化の促進を通じIPPの建設推進と自家発の
    普及拡大
  
  ⅱ)オフィス等の照明のJISの改定と全面的白色照明LED化のための補助制度の導入
  
  ⅲ)燃料電池の普及促進
  
  ⅳ)コ・ジェネレーション及び電力以外による地域冷暖房の促進
  
  ⅴ)空調負荷の脱電力。すなわちターボ冷凍機、エンジン冷凍機、あるいはGHP(ガスエンジン HP)の更   なる普及拡大(中小規模集会施設のEHP(電気HP)からGHP(LPG あるいは都市ガスHP)への転換)
  
  ⅵ)乾燥、厨房、給湯負荷の電気の使用制限
  またこれらを支えるためのLNGソースの国家政策としての確保(シェールガスの
  導入も含む)、及びスマートコミュニティシステムの導入で対応すべきだと
  考えられます(たとえ現在の軽水炉を全廃することはできないとしても)。
  また、全国的天然ガスネットワークの整備も強力な手段になるでしょう。尚現在の原発をすべて火力発電に   切り替えた場合の家庭一軒あたりのコスト
  アップは月1000円という日本エネルギー経済研究所の試算が発表されました。
  (産業用のコストアップを家庭用で肩代わりすると想定すると6000円アップに
   なるという人もいます)

③長期的には
  現在の軽水炉原発は安全性並びに廃棄物処理の面で子孫代々に大変な負の遺産(高濃度廃棄物の半減  期は5万年と言われる)を残すこととなり、これは存続させるべきではないと思われます。
  従って化石燃料の利用拡大(メタンハイドレートの利用。石炭は化学原料として
  温存すべきでしょう)と自然エネルギーの利用でまかなうことになるでしょう。
  
  その内、自然エネルギーについて、現在主張されているのは太陽光、風力の利用
  が目立ちます。しかしこれらはやはり、不安定である事が免れませんが、より注目   され利用促進される  べきものは地熱エネルギーであるとおもわれます。
  
  地熱エネルギーを利用するとすれば、これは常に安定して利用でき、しかも
  未来永劫に利用できます(元来地熱は大部分、地底のウラン238とトリウム232
  という地中放射性元素の崩壊熱であり、それぞれ半減期は45億年、141億年
  です。またその総量は現在人類が燃料を燃やして発生させている総熱量の2倍とい
  われています)。日本は地熱の利用可能拠点を世界で3番目に多くもっています。
  問題は有望な地熱利用可能拠点が殆ど国立公園内であるということです。
  
  しかし、これの景観及び環境負荷対策は現在ならばローテクの範囲内で
  十分可能であり、現在の原発に対する安全対策より、はるかに容易で
  且つ効果的であると考えられます。地熱の利用が可能であれば将来のエネルギー源   
  の中心として、位置ずけられるのではないでしょうか。
  
  また300度以上の地熱の利用だけでなく、地下数十メートルの地中熱の直接利用
  HPによる利用も現実的であり、これは都市部でも可能です。
  
  ところで、日本以外の地熱利用もその他自然エネルギーの利用がしにくい国等
  ではどうするかという問題ですが、確かに核エネルギーの利用が可能であれば
  将来のエネルギー源を確保できるわけです。
 
  ここで現在わが国などが使用している軽水炉原発の技術が核兵器用プルトニウム生産と原子力潜水艦用発  電システムにむけて開発されたものであり、
  1960年代まで種々の原子炉の開発研究がおこなわれていたものが、
  放棄されてしまったということを思い返す必要があります。
  
  日本原子力研究所の元主任研究員古川和男さんの「原発安全革命」(文春新書
  2011年5月刊800円)によるならば、かって研究がすすめられていた
  本質的に重大事故の恐れがなく、放射性廃棄物が消滅し、かつ極めて経済的
  である「トリウム溶融塩核エネルギー協働システム」の採用があるならば
  核エネルギーの利用も可能となると思われます。


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