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エネルギー需給の盲点;石油化学 [経済]

先週の国際エネルギー機関、IEAの石油化学に関する報告。

主旨;

・石油化学製品需要は,2000年から本日までに倍増している。

 2030年に現状の30%、2050年に60%の伸びを予想する。


・石油化学産業は,世界の原油生産の14%(1300万BD)、天然ガス生産の8%(年間3000億立方メート ル)を原料として消費している。

 原油の”隠れた”大消費産業である。

・石油化学製品は鉄鋼、その他の産業素材に変わり、需要は堅調に伸びている。

・特に情報革命時代に,,石油化学製品(プラステイック)をふんだんに使う情報機器需要が爆発的に伸 びている。

 既に, 情報伝達手段として、電子端末機器(プラステイックのかたまり)は"紙の時代"を過去の 遺物としている。

・技術の進歩、人口拡大、生活水準の上昇に応じて,プラステック需要は今後拡大を続ける。

 電気自動車の展開により石油製品(ガソリン、ジーゼル、重油)の需要が減り、従い原油需要が  減るが,一方の石油化学製品需要の拡大の勢いは強くトータルの原油需要は減らない。

 石油化学はエネルギーの"盲点”である。

・石油化学製品は炭素(C)を必要とし、現在のところその供給源として原油、ガス、石炭しか無く 代替原料が無い。

 製造過程で、CO2の環境汚染が問題。

 特に世界の海洋がプラステイック汚染で大きな問題となっている。

 リサイクル事業の発展と,代替原料の発見が今後の鍵。

バイロン


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北アイルランドの死守線 [連載ー英国EU離脱交渉]

断崖絶壁のイギリスEU離脱交渉。

最後の問題が北アイルランド問題。

地続きのアイルランドとの関係を如何するか。

北アイルランドの民主統一党(DUP)の"血の守護線”は,断じて未来永劫にアイルランドとの合併を退けること。

"統一アイルランド"の成立を"断固排除して,"母国、イギリス"と共に歩むのである。

従い,離脱交渉で,EU側が提唱する,アイルランドー北アイルランドの間に,これまで通り変化無く,離脱後は、北アイルランドとイギリスとの間に税関や、出入国管理の壁を作れば良い,との妥協案は,将来なし崩しに,アイルランドと北アイルランドが、"統一"に向かい、"母国であるイギリス"から隔離される事に繋がるとして、徹頭徹尾反対する。

DUPはメイ内閣の連帯政党。

DUPにそっぽを向かれると政権維持は不可能。

亦、EUの妥協案は,事実上北アイルランドをイギリスから分離排除する”国家破壊”で、到底許容できぬとする保守党内の一派がDUPと連合している。

メイはEUと合意して,所謂"歯止めーbackstop"を設け,一定の時間を持って,本問題の解決を図ろうとする。

交渉時間中は,北アイルランドとEUの関係は現状のまま変化無いこととする。

しかし,この妥協案にも,期限を切らねば,結局、北アイルランドがEUに取り込まれると反対が強まる。


バイロン
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