ゴールドマンサックスとアジア

シンガポールのセミナーに出席のマレイシア次期首相待機中のアンワール氏はブルンバーグTVとのインタビューで下記を強調した。

・マレイシア最悪の大疑獄、国富ファンド1MDB資金の横領、横流し疑惑に関与したゴールドマンサ
　ックス銀行は疑獄の共犯者である。
　.前首相ナジッブとその周辺の横領額は45億ドルを超える。

・同銀行はファンドの社債発行の報酬として，法外な6億米ドルを手にしているが，犯罪行為の報酬
　の上、常軌を失した金額である。当然，最低、同額をマレイシアに返済する責任がある。

・同行の操作が継続中で，現在のところ、同行のマレイシア操業の禁止は行わない。

尚、疑獄の露呈の切っ掛けとなったアメリカ法務省は、本疑獄を、史上最悪のクレプトクラシー(盗賊政治）のサンプルとし、今週、2名のゴールドマンサックス職員を逮捕している。

アジアで盛んに活躍の銀行だが，ガヴァナンス上、アジアを軽視している傾向が指摘される。

バイロン

豪州と一帯一路計画;州の権限

豪州、ヴィクトリア州政府は，先週、中国政府と一帯一路計画に参加する意思表示(MOI)に署名した。

これに対し，豪州連邦政府首相、モリソン氏が抗議。

先ず基本として斯かる国際協定は，連邦政府の権限で，州政府には決定する権限は無い。

更に，協定は秘密協定で，ヴィクトリア州民にさへ内容が知らされていない。

況んや連邦政府、豪州国民にはその内容を知らされていない。

連邦政府は，協定内容を精査し，承認の可否を決める権限ありと叱責。

ヴィクトリア州首相，アンドリュース氏は、自分はヴィクトリア州民の利益を守る立場で，協定が州の為になると信じており、協定を秘密にしたのは，連邦政府のやり口をまねただけ，連邦政府は斯様な協定のいずれも秘密裏に進めてきた，と反論。
協定の相手、中国が合意すれば内容を公開すると語っている。

何につけても少々調子の狂う豪州。

おかしな展開である。

バイロン

イラン追加制裁;反米の蠢動

今週、トランプ政府は，イランに追加制裁を発動した。

対象は，原油取引，海運、航空、金融をカヴァーし新規に300件の対象を指定した大型制裁。(例えばイランの50の銀行全てが対象）

同時に，原油の禁輸については，8カ国に，例外的に6ヶ月の期限付きで，輸入の継続を認めた。

発表された"お目こぼし8カ国”は日本、中国、韓国、台湾，インド、イタリア、ギリシャ、それにトルコ。

お目こぼしに与らなかったフランス経済相、ル　メール氏は，声明を発し，"アメリカ政府には世界通商の警察官のごとく振る舞う権限は無い。アメリカの無法な行為に対抗すべく，イラン取引に関して国際"特別機構”(special　purpose　vehicleーSPV)の設立が急務。世界各国の主権が侵されぬよう団結しトランプ制裁を無力とすべき。”とぶち上げた。

バイロン

独仏企業の撤退;置き去りの英国

土壇場にさしかかるる英国EU離脱交渉。

今週は，世界的な自動車部品、ベアリングのドイツ、メイカー、シェフラー社が，英国内の2工場を閉鎖し、生産を　本国ドイツ、中国、韓国に移転すると発表。

亦、自動車タイヤのフランス大手、ミシェラン社もスコットランドのダンデイー工場の閉鎖を発表。

両社とも、市場の要求が変化したとその理由を挙げ，英国の離脱は関係無しと説明している。

バイロン