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土壇場ースペインの抗議 [連載ー英国EU離脱交渉]

明日に予定されるEUサミット。

此処でイギリスの離脱に関する基本協定と,離脱宣言文書の承認が得られる予定。

土壇場で,スペインのサンチェス首相が文書に噛みついている。

スペイン国内の”イギリスの領土ジブラルタル”の扱いについてである。

来月アンダルシア州の地方選挙。

サンチェスの社会党は旗色が弱い。

中道右派は集ってジブラルタルの奪還を叫ぶ。

サンチェス首相は,離脱宣言文書の中に,ジブラルタル問題はあくまでイギリスとスペインの二国間の領土問題で,EUとは無関係であり、将来イギリスと独自に交渉できる旨明記せよと迫っている。

明記が困難なら,宣言文書にスペインの要求を付属文書として残せと要求。

合意されねば明日のサミットにスペインは参加しないと脅している。

一方イギリスのメイ首相は議会で"ジブラルタルのイギリス主権は断じて守る"と勇ましい発言。

さて、解決は?

バイロン

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イタリア経済に赤信号 [欧州]

ポピュリズムに乗って登場のイタリア新政府。

早速作った来年度予算。

入るを図らず放漫なばらまき予算。

EU委員会は,イタリア財政破綻→ユーロ通貨信用の失墜を恐れ、予算案の書き換えを要求。

政府はこれを拒否し,EU初の罰金が課せられそうな雲行き。

ギリシャに次ぎ公的債務のGDP比が高いイタリア。

昨日、イタリア中央銀行は,国内銀行経営の先行きに警鐘を鳴らした。

国債利回りは此処4年間最高。

債券市場から外国投資家が逃避を始め,投げ売られる国債をイタリアの銀行群が買わされている。

高まる国債利回りは企業借り入れ金利に即刻跳ね返り、貸し出しは細っている。

民間資本は保有国債価格の減価で痛手を負い始めた。

このままでは政府の目標の成長率の達成は不可能、だとの警鐘である。

来週、イタリア政府はブラッセルに召喚されている。

バイロン
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景気好調と外国労働者 [連載ー英国EU離脱交渉]

ドイツ、日本、アメリカが先導の好調経済。

いずれも未曾有の完全雇用に近い状況。

彼らは同じ問題に直面している。

自国労働者不足である。

この部類に,イギリスも入る。

イギリスは,EU離脱騒ぎで,外国労働者が逃げ出している特殊事由はあるが労働者不足は同じである。

亦、理由の一つに周辺国の労働事情の変化がある。

例えばポーランドだが、これまで将棋倒しのように,イギリスへ出稼ぎに出ていた。

その結果、本国の労働市場は,老人ばかりとなり、残留の少ない若者の給与が吹き上がり始めた。

上昇する賃金に引かれU-ターンで帰国する労働者が増え始めている。

また、離脱後、イギリスにはヒトの移動の自由が保障されない。

その点、圧倒的な魅力を持つのはドイツである。

EUの基本精神であるヒトの移動自由の揺るがぬ信奉者である。

ポーランド始め東欧のEUメンバー国から移住の労働者が増え始めた。

一方、不思議にイギリスの賃金が上がらない。

賃金を抑えて、自国民の雇用を増やす政策に向かっている。

即ち,自国民、新卒の雇用拡大、自国民老齢労働者の雇用延長で、外国労働者不足に対応しようとする。


風が吹いて桶屋が儲かる。

国際労働市場で、独り勝ちはドイツのようだ。


バイロン




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英国の悲鳴ー労働力不足 [連載ー英国EU離脱交渉]

EU離脱の津波で,イギリスは海外労働者を急速に失っている。

世界の指標たる国民健康保険(NHS)の仕組み。

支えて居るのは海外からの移民。

NHS関係の総雇用人口は120万人。

その6%が非英国人で、主に大陸EU諸国から。

医者は総数の10%,看護師は7%を占める。

過去一年で彼らの数が激減中。

EU離脱以降、彼らの身分保障が無い。

更に離脱騒ぎでイギリスポンドが減価している。

給与的に魅力が失せた。

亦、派遣元の諸国の経済が好調で帰国した方が収入的に安定する。

今年、イギリスの国民健康保険機構は、看護師の不足が42,000人に達したと悲鳴。

イギリスの労働力不足はあらゆる分野に及び始めている。

バイロン

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混み合った議事日程 [連載ー英国EU離脱交渉]

本日、イギリスメイ首相はブラッセルにとんぼ返り。

EU委員会と離脱宣言文書の文言の最終合意に努力する。

合意がなればその後の議事日程は;

・25日(次の日曜日)、EU理事会(EUサミット)開催。

 そこで,離脱協定%(585頁に及ぶ膨大な協定)と、離脱宣言の両方を承認。

・来週以降、メイ首相は、両合意につき,英国議会の承認を求める。
 承認が得られるとー

・以降、速やかにEU議会による両合意に賛同の意思確認。(EU議会の批准行為)

・以降、各メンバー国による批准行為必要。

・明年3月29日をもってイギリスは正式にEU離脱。

・同日より、イギリスーEU間の新関係に付き正式交渉が開始される。


混んだ日程だが最重要ハードルがイギリス議会の承認の有無。

これが無ければ全てが瓦解。


バイロン
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メイ首相最後の努力 [連載ー英国EU離脱交渉]

イギリスメイ首相は昨日ブラッセル入り。

EU委員会と離脱に関する最終詰めに入った。

主題は本欄で触れた離脱宣言文案(side declaration)問題。

初日の詰めで以下三点が主要問題と確認されている。

1)ジブラルタル問題;
 スペインは,本問題はスペインとイギリスとの固有の領土問題で,イギリスとEUとの関係とは無関 係だと主張。 
 離脱協定の"内数”として決定されるべきでは無いと主張。
 その旨離脱文書に明記を要求。

2)漁業権問題;
 離脱後、イギリスはEUと新規に交渉するとするが,英仏海峡に接する各国は,原則として現行の合 意、即ち,イギリスは領海の多くを公開している原則を踏襲すべきだと主張。
 この旨離脱文書に記載を求める。

3)"摩擦無き関係";
 イギリスは将来のイギリスーEUの通商関係が"摩擦無き関係”に発展する,との文言を主張するが,
 フランス、オランダ,ベルギー等は、離脱後もイギリスはメンバーでは無い第三国なのに"いいとこ 取り"を狙うとして、斯様な曖昧文言に反対。


さて妥協はなるか。

バイロン
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得体の知れぬ醜聞:1MDBとゴールドマンサックス [国際]

アブダビの国富ファンド、IPICは昨日ニューヨークでゴールドマンサックスとその役員を詐欺罪、他の罪状で訴えを起こした。

マレイシアの国富ファンド1MDBの社債発行に関する大醜聞劇。

巨額の巨額の贈収賄疑惑、1MDB資金の窃盗。

無法な銀行口銭。

数十億ドルが消えた。

前マレイシア首相ラザックは逮捕されている。

疑惑の根は広がり、今回は、1MDBとながくパートナー関係にあったIPICからの訴訟。

違法行為の輪は広がり,1MDB社債発行を仕切り、その後の資金流に関与したゴールドマンサックスの信用は国際的に失墜している。

株価は,徐々に下げてきているが今月は一挙に14%の急落。

国際大醜聞劇、その全容は未だ見えない。


バイロン

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非武装区域の開放 [アジア]

昨日、韓国と北朝鮮は両国を分ける非武装地帯(DMZ)の歩哨用構造物を、相互に爆破,撤去した。

両者は既に板門店の歩哨の武器携行解除に成功している。

来月末に予定される両国首脳の韓国内での会談に向けての"善意外交”を積み重ねている。


バイロン



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イヴァンカ トランプの個人メイル [アメリカ州]

アメリカトランプ大統領の娘、イヴァンカが政府内の"公的”交信に彼女の個人eーメイルを利用していたことが判明。

トランプは,大統領選挙戦で対立候補クリントン女史の同様、個人eーメイルの使用がアメリカの最高機密を漏洩させ,国家を危機にさらしたと,強烈な非難合戦を展開していた。

中間選挙で下院で圧勝した民主党は、下院の主要委員会全ての議長席を確保。

それぞれ行政監査上、証人喚問、サピーナ権限を持つ。

新議会は来年一月三日に始まる。

民主党は,イヴァンカのeーメイル使用を徹底追求すると息巻く。


バイロン
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微妙な立場ーDUP [連載ー英国EU離脱交渉]

イギリス議会に10の議席を持つ北アイルランドの民主連合党(DUP)。

メイ首相の保守党と連立を組むが彼女のEU離脱案には賛成できない。

陸続きのアイルランドとの関係が最終協定の成立まで,"特別扱い”で従来通り税関も,出入国管理も置かない。

これではなし崩しに,アイルランドに併呑されてしまう。

メイ案は北アイルランドをアイルランドの属国に追い込んでしまう。

メイとの間に亀裂が見えて,野党労働党には,メイ退陣を要求する雑音が生じている。

労働党は、反DUPは無論,アイルランド統一を支持するから,メイをいじめて労働党に力をつけると,政変に繋がり労働党政府の成立が現実となるかも知れない。
さすれば、自党の生命が危ない。労働党はアイルランド統一の武力組織IRAのシンパでもあった。

そもそも,メイとの連携は金銭取引で,彼女を支持する見返りに北アイルランドにインフラ等整備に10億ポンドの提供を受けることになっている。
メイいじめが嵩じるとこの資金が閉められる。

その上,ややこしいことに,北アイルランド商工会議所はメイ案に賛成である。
アイルランドともイギリスとも何の摩擦も無く交易できる。結構では無いか。
政治的に,アイルランドに飲み込まれるとは、虚偽の主張だと現実論に傾いている。


バイロン
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