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新離脱法上院通過の見通し [連載ー英国EU離脱交渉]

ロンドン議会。

上院に回付された新離脱法案(EUとの事前協定無しに離脱を禁じる法)。

協定無しに離脱を強行しようとするジョンソン首相支持派が、上院では下院通過の法案につき修正案を100近く用意し、それぞれ審議する遅延作戦で、来週の、議会停止(プロロギング)で時間切れとし廃案を狙う、と予想された。

確かに議事遅延行為(フィリバスター)は始じまっているが、上院与野党の協議で明日金曜真夜中を期し審議を完了する目途が立った様子。

下院案との齟齬は来週月曜日に調整するとの合意も、両院間で成った模様。

調整後、法案は女王の認可作業に移り新離脱法は成立する見通し。

次にジョンソンが繰り出す奥の手は?

バイロン
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ラガルデ欧州中央銀行新総裁の施政方針 [欧州]

11月から欧州中央銀行総裁に就任する現IMF総裁、ラガルデ女史。

昨日欧州議会の聴聞会で欧州中央銀行の新政策について下記証言。

・全世界の中央銀行の経済安定化への金融手段には限度がある。

・欧州の場合、ドイツ、オランダを初め財政に余裕のある国は欧州全体、ユーロ圏の経済安定化のために財政の出動を行うべきだ。出動対象はインフラ整備事業とすべきである。

・フランス大統領が提案している欧州予算プール案―各メンバーが一定額をプールし予算上困難を生じたメンバー国に融通する案―につき規模も利用ルールも未定だが、経済安定化の為、検討を進めたい。

・EUメンバー国の経済不況を救うために欧州安定成長条約があるが、救済金の支出、条件が複雑で、借入国には過酷な緊縮財政を課す傾向がある。
同条約の軽便化を図りあ利用度を高めたい。

・基本として現総裁ドラギ氏の”敏速な緩和金融政策”を継承するが、すでに金利はネガテイヴ領域にはいり、金融手段は限られている。欧州中央銀行の政策目標である、インフレ率の”約、しかし2%を超えない率を達成する”との定義は曖昧である。
正確に政策目標を定義しなおす用意がある。

・緩和策として国債、民間債の買い上げを再開する。
その際、地球環境重視の売り手を優先的に扱う”グリーン債”の枠組みを作りたい。

‣ポピュリズムの台頭、それに付随する無責任な財政と国際的経済混乱を阻止する為、今こそ国際協力を強化すべきだ。

バイロン
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ジョンソン動議:議会解散-総選挙否決 [連載ー英国EU離脱交渉]

ロンドン議会の騒乱が続く。

EU離脱新法案(無協定離脱の禁止法)が下院を通過した直後、ジョンソン首相は議会解散、10月15日を投票日とする総選挙の動議を提出。

イギリス議会運営法上首相の議会解散権権は、制限的で、下院三分の二の賛成が必要。

即ち434議員の賛成が必要。

首相動議は297票の賛成で三分の二に遠く及ばず、拒否された。

野党労働党が投票を棄権した。(本案既報の通り労働党は条件付きで総選挙賛成)

これで、首相は議会解散がならず、今後の”無協定離脱”に向けての選択肢は大きく狭まった。

一方、保守党内部にジョンソン抵抗勢力が急増している。

ジョンソンは昨日党内反乱分子21名を除名したが、党議員80名がジョンソンに除名の撤回を求める書面を提出。

これから先の政局は一寸刻みの暗雲の中。

バイロン


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労働党の議会解散条件 [連載ー英国EU離脱交渉]

ロンドン議会騒乱。

ジョンソン首相は10月15日の総選挙を野党労働党党首コービンに呼びかけた。

コービン党首は即時下記反応している。

・ジョンソンの対EU交渉は秘密に覆われている。交渉そのものの存在が疑わしい。

・解散の呼び掛けは白雪姫の毒リンゴで、総選挙を10月31日を超えて遅らせ無協定離脱を強行する時間稼ぎの魂胆だ。

・ジョンソン首相は既に貴族院で新法案につき92の改定案を提出させフィリバスター手法を使い、審議延長を狙っている。

時間稼ぎで選挙期間を事実上消し去り10月31日のEU離脱を強行する準備が見え見えだ。

・ジョンソンの解散の呼びかけは労働党への罠であり、新離脱法案が女王裁可を得て正式に法律として成立するまで同意できない。

バイロン
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英国総選挙へ? [連載ー英国EU離脱交渉]

ロンドン現地15分前に下院議会は新離脱法案を328-299票で成立させた。

同法案は即時上院(貴族院)に回され審議に付される。

上院には、ジョンソン首相一派も多く、新法案反対で議事進行妨害の手段―フィリバスターを行使できるが選挙による公選議員でなく、反対は形式的で無力。

新法案下院通過を受けてジョンソン首相は下記発言:

・新法案で対EUの交渉力を失った。

・国民に信を問う為、議会を解散し、10月15日を投票日とする総選挙を提案する。

・労働党党首コービン氏は議会解散に賛同してもらいたい。(議会運営法上、首相の解散権行使には議 員三分の二以上の賛成が必要。)

・10月17-18に予定のEUサミット(EUとして英国離脱に関する最後の結論を出すサミット)に英国を代表して参加するのは自分か、コービンゕ、国民に決めて貰おう。

バイロン


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イギリス保守党21名を除名 [連載ー英国EU離脱交渉]

昨日の英国議会。
新離脱法の審議に入っている。

一方ジョンソン首相は彼の意向に反して新離脱法案に賛成した21名の議員を保守党から除名した。

閣僚経験者(チャーチルの孫で1983年に首相を務めたソームズ氏も含む)が多く、保守党の長年蓄積された経験、知識が失われる。

前首相メイを守った閣僚クラスが殆ど。

昨日時点で、除名の21名(Gang of 21)は、当面、ジョンソン首相の”無協定離脱”を阻止することに注力し、以降、新党結成か、その他の道を探るとし、政界から引退を表明する議員はいない。

バイロン
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